恐ろしい、かいだん話

2016年完成。築9年。
大工の正やんの階段を作る動画を見ていて「へー、、大工さんは上手だけどねぇ、、階段設計がねぇ、、」なんて勝手な事思って見ていたら、この平屋を思い出した(笑)
このオーナーさんと知り合ったのは、某メーカーのキッチンショールームで、僕が製作したオーダーキッチンを展示するイベントを開いた時。
新築の受注ではなく、オーダーキッチン単体の注文をもらうための試みだった。ところが反応はゼロ。天気も悪く、気分は最悪。
いじけながら片付けようかというタイミングで、「すみません、いいですか」と声をかけてくれた奥さんがいた。やっとキッチンに興味を持ってくれた来場者かと思ったら、まさかの「家を建てたい」という相談。
その時点で新築の受注はもう十分だったから複雑な気持ちに。。。
でもせっかくだし話を聞いてみることにした。どうやら他の建築会社でほぼ決まりかけていたようで、断る前提で話をきいた。
けれど最終的には、エボホームで建てたいという熱意に押され建てることに。
予定したビルダーはお断りしてもらい、プランの作成の打ち合わせの中で「エボホームがいい理由って?」と尋ねると、
「あのかわいいアイアンの階段がどうしても欲しいんです」と即答された。。。
と言う事で全力でプランを練った。しかし、、できあがったプランは平屋(笑)。
お客さんはとても満足してくれたが、引き渡し直前まで「2階に行けなくてもいいから階段だけ作れませんか?」と粘られたのを今でもよく覚えています(笑)
注文住宅とは、ネット情報に振り回されて混乱している施主の言葉をそのまま形にすることではない。
その人の暮らし方や生き方、価値観を読み解き、こちらから提案して「本物の暮らし」を形にすることだ。

と言う事で、過去の施工例ですがアイアン手すりがかわいいエボ階段をどうぞ。

階段を熟知した僕が書いた図面を、エボ大工が形にして行きます。

完成するとこうなります。素敵ですね♪
職人の技と緻密な設計が両立して初めて出来るんです。




あ!!
最近のビルダーは、リクシルの簡単発注システムで部材を頼むだけの「組み立て式階段」ばかり。現場で職人が木を刻むような階段は、ほとんど見かけなくなった。
だから、こんな素敵な階段を絶対に要望しないでくださいね。
恥ずかしいから「それ作れません」とは言わず、何だかんだ理由をつけて「やらない方がいいですよ〜」なんて優しく言ってきますから(笑)

