モグラ叩き営業・・・

家づくりで一番厄介なのは、工務店選びじゃない。土地選びだ。
特に北見みたいな田舎町だと「日当たり」や「利便性」以前に、もっとドロドロした条件が別方向から襲ってくる。 「地盤が悪い」「隣が変な人じゃないか」「近所に知り合いがいる」「近くに嫌な同僚が住んでいないか」。 田舎特有の「人の目」というやつだ。全員知り合いみたいな町だからこそ、これがキツい。
賃貸なら隣が臭ければ逃げられるが、持ち家は逃げられない。 一生そこに住む前提で考えるから迷うのは当然だが、「慎重」と「優柔不断」は全く違う。 慎重な人はリスクを整理して、潔く諦める部分を切り捨てられる。 一方、優柔不断な人は「もっといい条件があるはず」「誰かに笑われたくない」という欲深さから一生抜け出せない。
以前、見事なまでに優柔不断な奥さんがいた。 土地選びの段階から迷いに迷い、ようやく「ここに決めます!絶対に変えません!」と宣言した時も、僕はこう返した。
「いやいやいや、絶対に気が変わりますよ。明日の朝には、やっぱり、、、って連絡が来ますから」
僕の予想は裏切られた。。
なんと翌日ではなく1時間後に連絡が来た。「大平さん、やっぱりちょっと、、、あの土地のそば、会社の同僚が住んでて・・・、、それと立地が良すぎて人通りが…」
そこで僕は、あの一言を、、、。

「人なんてね、生きているだけで恥ずかしいものなんですよ」
毎日、大勢の子供たちの前に立って踊ったり歌ったり、赤ちゃん言葉で話したり。正直、僕はあなた方の日々の方がずっと恥ずかしくて絶対できませんよ。
僕自身だって、自分の食ったものを写真に撮ってブログに載っけて、バカみたいだなって思いますしね。
要は、恥ずかしいことなんて、みんなどこかでしてるんですよ。いまさら住む場所の恥ずかしさだけ気にしてどうするんですか、と。
この一言で、奥さんの憑き物が落ちた。
そこからの打ち合わせは逆に最高に面白くなった。優柔不断を真面目に扱うと疲れるから、全部ネタにして回した。
「屋根の色どうします?どうせ優柔不断で決まらないでしょ?」「蛇口これでいいですか?きっと決まりませんよね?」僕がそうイジると、意外にもスパッと即決していく。
提案したものが全部ほぼそのまま通った。たぶん他のビルダーなら、途中で空気が重くなって終わっていただろう。
奥さんの口癖は「もう私は優柔不断じゃないわよ~」って、、多分自分自身と戦っていたのかも。。
家が完成し、見学会をやることになった時、 「『優柔不断の人が建てた家』ってタイトルでいきましょうか」と得意の伝書鳩の広告を提案した。
奥さんは大笑いして、「本当にそうですね!それでいきましょう!」と快諾してくれた。
(まあ、さすがの僕も実際にはその名前で見学会はやらなかったけどね)
本人はずっと悩んでいたはずなのに、最後はそれが家のキャラになり、笑い話になり、強みになっていた。
「他の工務店だったら、ただのクレーマーだったかもね」なんて僕にイジられながら。。
時代はSNSとAIに洗脳され、一億優柔不断時代に突入した。
玄関の向きが~、人目が~、キッチンが~、隣の猫が~と次々と買えない理由を言ってくる。
そんな言葉を真に受けて必死にひとつずつ叩いて必死に売ろうとする売れない奴らを
僕は「モグラ叩き営業」と言っています(笑)
そして互いに疲弊して終了。。
せっかくの大切なお買い物を楽しく出来るように導くのも売り手側の仕事です。
「潔癖症の家」「変な家」「嫌いな奴の家」全部「個性として」笑いに変換して建ててたけど、もうそんなエボホームは建てません。









